Streamクラスにはヌルオブジェクトを取得するプロパティStream.Nullが用意されています。 Stream.Nullは、NULLデバイス(nul・/dev/null)の代わりとして使ったり、テスト時に具体的なStreamを用意する代わりにモックとして使用したりすることができます。
Stream.Nullは読み込み・書き込み・シークなど全ての機能をサポートしますが、実際にそれらの操作を行なっても何も起こりません。 Stream.Nullに対してWriteメソッドで書き込んだ内容はすべて破棄され、ReadメソッドでStream.Nullから読み込みを行った場合は0バイトのデータが読み出されます。 Stream.Nullの長さ(Length)は常に0です。
次の例では、出力先をStream.Nullに設定したStreamWriterをConsole.SetOutメソッド渡すことによって標準出力の出力先をコンソールからStream.Nullに変更(リダイレクト)し、Console.WriteLineメソッドで出力される内容を破棄しています。
標準出力のリダイレクトについては自プロセスの標準入出力 §.標準ストリームのリダイレクトで詳しく解説しています。