オーディオ・ビデオエンコーダLibavのビルド・インストール方法について。

ソースからのビルド・インストール

以下はソースからビルドしてインストールする手順。 検証に使った環境はUbuntu 18.04 (Bionic Beaver)。

ディストリビューションが提供しているバージョンと共存できるようにするため、ここでは/opt/libavにインストールする。

各種コーデック

必要なものをビルド・インストールしておく。

FDK-AAC

https://sourceforge.net/projects/opencore-amr/files/fdk-aac/よりソースコードを入手する。

tar -xvf fdk-aac-2.0.1.tar.gz
cd fdk-aac-2.0.1/
./configure --prefix=/opt/libav
make
sudo make install

インストール結果の確認。

$ pkg-config fdk-aac --modversion
2.0.1

Libavでは、configureの際に--enable-libfdk-aacを指定することで使用できるようになる。

x264

https://www.videolan.org/developers/x264.html

(以下は2019年12月時点のバージョンでの手順)

git clone git://git.videolan.org/x264.git
cd x264/
./configure --prefix=/opt/libav --enable-shared
make
sudo make install

インストール結果の確認。

$ pkg-config x264 --modversion
0.157.2969 d4099dd

Libavでは、configureの際に--enable-libx264を指定することで使用できるようになる。

libvpx

https://www.webmproject.org/code/より入手する。

curl -O -L https://chromium.googlesource.com/webm/libvpx/+archive/v1.7.0.tar.gz
mkdir v1.7.0
tar -xvf v1.7.0.tar.gz -C v1.7.0
cd libvpx-v0.9.6/
./configure --prefix=/opt/libav --enable-shared
make
sudo make install

インストール結果の確認。

$ pkg-config vpx --modversion
1.7.0

Libavでは、configureの際に--enable-libvpxを指定することで使用できるようになる。

libogg/libvorbis

https://xiph.org/downloads/より入手する。

libogg

curl -O -L http://downloads.xiph.org/releases/ogg/libogg-1.3.4.tar.xz
tar -xvf libogg-1.3.4.tar.xz
cd libogg-1.3.4/
./configure --prefix=/opt/libav --enable-shared
make
sudo make install

インストール結果の確認。

$ pkg-config ogg --modversion
1.3.4

libvorbis

curl -O -L http://downloads.xiph.org/releases/vorbis/libvorbis-1.3.6.tar.xz
tar -xvf libvorbis-1.3.6.tar.xz
cd libvorbis-1.3.6/
./configure --prefix=/opt/libav --enable-shared
make
sudo make install

インストール結果の確認。

$ pkg-config vorbis --modversion
1.3.6

Libavでは、configureの際に--enable-libvorbisを指定することで使用できるようになる。

Libav本体

https://libav.org/より入手する。

Gitリポジトリからソースを入手してビルドする場合。

git://git.libav.org/libav.git
cd libav

tarパッケージのソースからビルドする場合。

curl -O -L https://libav.org/releases/libav-12.3.tar.xz
tar -xvf libav-12.3.tar.xz
cd libav-12.3/

(tarパッケージのソースの場合、バージョンによってはコーデック側のAPI変更に追従していない場合がある)


configureを実行する。

以下はFDK-AACを有効(--enable-libfdk-aac)にしてビルドする場合の例。 使用するコーデックに応じて--enable-libx264, --enable-libvpx, --enable-libvorbisなどを追加する。

./configure \
--prefix=/opt/libav --extra-ldflags='-L/opt/libav/lib' \
--enable-libfdk-aac --enable-nonfree

コーデックのライセンスによっては--enable-gpl(GPLの場合), --enable-version3(GPLv3の場合)なども追加で指定する必要がある。

問題が無ければ、make, make installする。

make
sudo make install